レストランの入り口や商品のパッケージで、さまざまなデザインの「ハラール認証マーク」を目にすることが増えてきました。これらは、その製品やサービスがイスラムの教えに則っていることを示す、ムスリムにとっての安心の証です。
しかし、日本国内だけでも複数の認証団体が存在し、それぞれマークのデザインも異なります。ここでは、日本国内の主要なハラール認証団体とその特徴について解説します。
### なぜ認証団体が複数あるのか?
ハラール認証には、世界的に統一された単一の基準というものが存在しません。国や地域、イスラム法の学派によって解釈が若干異なる場合があるため、それぞれの基準に基づいて認証を行う団体が複数設立されています。
日本の認証団体は、マレーシアのJAKIMやインドネシアのMUIといった、海外の主要な政府系認証機関との相互認証を目指している場合が多く、これにより国際的な信頼性を担保しています。
### 日本の主要なハラール認証団体
**1. 日本ハラール協会 (JHA - Japan Halal Association)**
- NPO法人であり、日本で最も古くから活動している認証団体の一つです。
- イスラム諸国の大使館やイスラム団体との連携が強く、国内での認知度も高いです。
- ロゴは緑色の円の中に、アラビア語で「حلال(ハラール)」と書かれ、その下に「JAPAN HALAL ASSOCIATION」と表記されています。
**2. 日本アジアハラール協会 (NAHA - Nippon Asia Halal Association)**
- こちらも広く認知されている認証団体で、特に食品や化粧品の認証に力を入れています。
- 海外の認証機関との相互認証にも積極的で、輸出を考える企業が多く取得しています。
- ロゴは富士山と日の丸をモチーフにしたデザインが特徴的で、「HALAL」の文字が大きく配置されています。
**3. ジャパン・イスラミック・トラスト (JIT - Japan Islamic Trust)**
- 東京ジャーミイを運営する宗教法人であり、認証活動も行っています。
- 宗教法人による認証ということで、非常に厳格な基準を持つとされています。
- ロゴはアラビア語と英語で「HALAL」と書かれ、組織名が併記されています。
### 認証マークを確認する際のポイント
- **「ハラール認証」と「ムスリムフレンドリー」の違い**: ハラール認証は、第三者機関による厳格な審査を経たものです。一方、「ムスリムフレンドリー」は、豚肉やアルコールを使用していないなど、店舗が自主的にムスリムへ配慮していることを示すもので、認証とは異なります。どちらも旅行者にとっては有益な情報ですが、その違いを理解しておくことが重要です。
- **有効期限**: ハラール認証には有効期限があります。
### まとめ
ハラール認証マークは、ムスリムが日本で安心して消費活動を行うための重要な指標です。複数のマークが存在しますが、いずれも専門家による厳しいチェックを経た信頼の証です。当サイトのレストランやショップの情報にも、どの団体の認証を受けているかを記載するよう努めていますので、ぜひ参考にしてください。