日本のサプリメント、化粧品、そしてお菓子(特にグミやゼリー)の原材料としてよく見かける「プラセンタ」「コラーゲン」「ゼラチン」。これらは美容や健康に良いとされていますが、ムスリムにとっては、その由来を慎重に確認する必要がある成分です。
### 1. ゼラチン (Gelatin)
- **用途**: グミ、ゼリー、ヨーグルト、アイスクリーム、医薬品のカプセルなど、食品を固めたり、安定させたりするために広く使われます。
- **懸念点**: ゼラチンの最も一般的な原料は**豚の皮や骨**です。牛由来のこともありますが、その牛がハラールに則って屠畜されていなければ、それもハラームとなります。
- **見分け方**: 「魚由来」と明記されているもの(マリンゼラチン)や、植物性の凝固剤である「寒天(かんてん)」や「ペクチン」(リンゴや柑橘類由来)が使われている製品を選びましょう。ハラール認証のあるグミなども存在します。
### 2. コラーゲン (Collagen)
- **用途**: 美容ドリンク、サプリメント、化粧水、クリームなど、肌のハリや潤いを保つ目的で配合されます。
- **懸念点**: コラーゲンも、**豚や牛**から抽出されることが非常に多いです。
- **見分け方**: ゼラチンと同様に、「魚由来」「マリンコラーゲン」「フィッシュコラーゲン」と明記されている製品が安心です。植物性の代替成分(例:大豆イソフラボンなど)を売りにしている製品も良い選択肢です。
### 3. プラセンタ (Placenta)
- **用途**: アンチエイジング向けの高級な化粧品やサプリメントに使われることが多いです。
- **懸念点**: プラセンタは「胎盤」を意味します。日本では**豚や馬**の胎盤から抽出したエキスが主流であり、ムスリムにとっては最も避けるべき成分の一つです。
- **見分け方**: 「植物性プラセンタ」と書かれている製品があります。これはメロンなどの植物の「胎座」と呼ばれる部分から抽出したエキスで、動物の胎盤とは全くの別物です。しかし、一般的なプラセンタ製品は動物由来と考えてまず間違いありません。
### まとめ
日本市場の製品は、ムスリム消費者を主たるターゲットとして開発されていないものがほとんどです。そのため、美容や健康に良いとされる成分ほど、その由来には注意が必要です。
製品を選ぶ際は、
- **「魚由来」「植物由来」**という表記を探す。
- **ハラール認証マーク**の有無を確認する。
- **不明な場合はメーカーに問い合わせる**か、購入を避ける。
という原則を徹底することが、安心して製品を選ぶための鍵となります。